俳優ファーストの演技レッスン
(演技レッスンの提案本、演技の参考書です)
一部を限定公開!
(演技レッスンの提案本、演技の参考書です)
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俳優ファーストの演技レッスンを一言で言うと「観心動の演技をする為の演技レッスンの提案本」です。役づくりの仕方、台本の読み方、観心動の演技の仕組み、どんな演技レッスンから始めれば良いか、俳優が疑問に思うこと、第一線で活躍する俳優たちが知る演技のことなどを『俳優ファーストの演技レッスン』で紹介してます。俳優の演技だけでなく、歌手、声優、表現、演出にも役立つ内容です。
本文の一部を限定公開。目次から読みたいと思う項目を選んでお読みください。
☆ご活躍されている俳優、演技経験者の俳優の皆様は、ご自身が興味を持つまたは必要と思う項目をお読み下さい。俳優だけでなく、表現者の皆様、トレーナー、演出にも役立つように作成しております。
☆これから俳優を目指す、養成所に通っている最中、俳優としてのキャリアが浅いという方は、ご面倒かと思いますが、『まえがき』〜『S#1・・・S#9』〜『演技レッスンのルール』〜『俳優ファーストの演技レッスンについて』の順番で読んでみて下さい。演技への臨み方や自分自身の使い方に変化が表れ観心動の演技になります。
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【目次】
【まえがき】
S#1 演技レッスンは本当に必要か?
S#2 貴方は演技レッスンが必要ですか?
S#3 演技レッスンをいつやるかの判断
S#4 演技レッスンで何をすればいいのか
S#5 自分は変わらない
S#6 現場の演技は現場で生まれる
S#7 演技の悩みはどうすればいいのか
S#8 演技レッスンで覚える
S#9 俳優ファーストの演技レッスン
【演技レッスンのルール】
S#10 必ず守って下さい!
【俳優ファーストの演技レッスンについて】
S#11 本書での演技レッスンの共通認識
S#12 演技レッスンの診断
S#13 観客の心を動かす仕組み
S#14 素顔がみたい
S#15 演技をする心づくりと身体づくり
S#16 イメージの力
S#17 想像力
S#18 動きから入る?理論から入る?
S#19 捨てる忘れる
S#20 現場に向けて重要なのは決めない演技レッスン
S#21 トレーナーを入れるメリット
S#22 リアクション演技が内容を引き立てる
S#23 演技の疑問を解くのがレッスン
S#24 理解する
S#25 撮影をして観直す
S#26 演技の社会的な目的
S#27 演技の影響力
S#28 演技レッスンは上手くなくていい
【レッスン①リラックス】パスワード actone2020
【レッスン②即興演劇】パスワード actone2020
S#36 即興演劇ゲーム用語
S#37 即興演劇ウォーミングアップの紹介Part1
あなた、わたし、はい(全員参加のレッスン)
リーダーは誰?(全員参加のレッスン)
ポーズ回し(全員参加のレッスン)
リズムしりとり(四〜五人くらいのグループに別れてのレッスン)
リズム連想(四〜五人くらいのグループに別れてのレッスン)
ナイフとフォーク(二人組レッスン)
鏡(二人組レッスン)
ワンボイス(二人組レッスン)
プレゼントゲーム(二人以上のグループレッスン)
ジブリッシュ
S#38 ジブリッシュの実践です!
S#39 即興演劇ウォーミングアップの紹介Part2
何やってるの(四人以上のグループレッスン)
EX&AD
フリーズタグ(三人以上のグループレッスン)
ステイタスゲーム(四人以上のゲーム)
S#40 イメージの具現化
S#41 即興ゲーム紹介
CM(一分ゲーム)
カラオケビデオ(一分 ゲーム)
ワンボイス(二分ゲーム)
ソング(二分ゲーム)
ワンワード(二分ゲーム)
スロモーション実況中継(二分ゲーム)
入って出る(二分ゲーム)
シェアードストーリー(三分ゲーム)
スペースジャンプ(四名→四分、五名→五分ゲーム)
シネマガイド(五分ゲーム)
タイプラーター(五分ゲーム)
S#42 即興演劇レッスンプログラムの紹介
S#43 即興演劇の参考
S#44 お題の参考
S#45 公演に向けての実践練習
S#46 トレーナー用コメント集参考
S#47 トレーナーへのアドバイス
【レッスン③ボイスレッスン】パスワード actone2020
S#50 発声&滑舌
ウォーミングアップ
口の形の方向
五十音の練習
鼻濁音
読む
心得
S#51 外郎売
S#52 外郎売を使ったオリジナルレッスン
外郎売+シチュエーション
S#53 その他の滑舌練習
割り箸を咥えて滑舌が治る???
英語は一石◯鳥
母音にする
ブレスは鼻呼吸も活かそう
S#54 マイカのボイスレッスンレポート
第一回
第二回
第三回
第四回
第五回
S#55 マイカレッスン・ウォーミングアップについて
ウォーミングアップを構成する方針
覚えておくべきこと
一連の流れの提案
声の健康について
本番の期間中や声の調子が悪い時
風邪をひきそうな時
S#56 マイカのボイスレッスン後記(自分用のメモ)
【レッスン④感情表現】パスワード actone2020
感情の種類
目に見えなくても感情を感じ取っている
映像は感情も映す
演技の感情について
S#58 感情レッスンプログラム
第一回
感情のレッスン後記一
第二回
感情のレッスン後記二
S#59 リピティションのトレーナー用コメント集
第三回
感情のレッスン後記三
第四回
感情のレッスン後記四
第五回
感情のレッスン後記五
第六回
感情のレッスン後記六
第七回
感情のレッスン後記七
第八回
感情のレッスン後記八
第九回
感情のレッスン後記九
第十回
S#61 リピティションクラス
自分を取り戻す
様々なリピティション
無言のリピティション
リピティション演技についての参考
【レッスン⑤役づくり】
S#62 CHARACTER CHARTの説明
S#63 CHARACTER CHARTをレポートにする
第一回
第二回
第三回〜第七回
第八回
S#64 俳優が作成したシーンを紹介
S#65 台本がある役づくり
第一回
第二回
第三回〜第七回
第八回
S#66 他の役づくり
フリートーク役づくり
見た目からの役づくり
役づくりしない
タイプ
役づくり参考
【レッスン⑥台本読解、分析、台詞覚え、リハーサル】
S#68 台本の内容を理解する
最初の読み方
台本の読み方の種類
台本読み方ガイドの提案
全体に関して内容をイメージしながら読む提案
登場人物の人間関係は相関図を書く
S#69 役を理解する
台本読み方ガイドの提案
役をイメージしながら読む提案
CHARACTER CHART(キャラクターチャート)を使用
目的、行動、障害
関係
距離感(距離間)
役と繋がる提案
注意
S#70 台詞を覚える
一人での台詞の覚え方の提案
二人以上での台詞の覚え方の提案
台詞の言い方・伝え方
台本読み合わせの提案
アドリブで演じられるようになる
どう表現するか演技プランを考える
読解力
台本の読み方ざっくり解説
現場に向けて
置き換え
プロ意識
【レッスン⑦シーンレッスン】
S#72 シーンレッスンの準備
レッスンでの台本選びの提案
シーンの準備の提案
シーンレッスンの提案
最終リハーサル(稽古)の提案
S#73 フィクション(創作)をノンフィクション(本当)で伝えるには
S#74 自然な演技のコツ
S#75 目的を持つ演技
S#76 違和感のある演技、不自然な演技
S#77 呼吸演技
S#79 オーディション参考
S#80 演技での約束
S#81 シーン簡単攻略ガイド
S#82 台本の構成を知っておく
S#83 演技レッスンの評価
演技をあまり難しく捉えて欲しくない
目的ゲームの提案
私の演技でのリラックスの基準
その他の演技レッスン
【レッスン⑧役のリセット】
S#85 役のリセットの提案
【レッスン期間】
【あとがき】
この本を読めば演技レッスンは必要ないという本ではありません
演技レッスンの役立て方
レッスンをせずに現場で観客の心を動かす演技が出来ればいいのか
職業として成り立たせるにはどうすればいいか
演技レッスンと演出は違う
自由=責任
俳優という生きもの
演技は芸術といいますが芸術とは何でしょうか
演技脳
演技の悩みはどうすればいい?
出来たことを考える
演技は愛
【自己紹介】
【※の説明】
【謝辞】
俳優、演出、制作、観客に共通する演技は、“観客の心を動かす演技” 、観心動(かんしんどう)の演技です。本書は俳優が観心動の演技をする為の演技レッスンの提案書です。
俳優だけでなく、声優、歌手、ナレーター、レポーター、ダンサー、フィギュアスケーター、イベントキャストなどの表現者に、演劇部や俳優を目指す人にも、演技指導にも、演技トレーナーを目指す方にも、演出の参考にもなる、演技をする前段階と準備のレッスンの提案にもなります。
演技レッスンをしなくても売れてる俳優は大勢います。海外で活躍する俳優の多くは演技レッスンを経験しています。今は演技レッスンをしない方が良いという俳優はいます。演技レッスンを経験せずに活躍し最初は良かったけど最近はあんまり・・・と思われてしまう俳優がいますよね。果たして演技レッスンは本当に必要でしょうか?
実を言うと、どんな俳優でも演技レッスンは必要です。俳優を目指す人も演技経験がある俳優もです。第一線でご活躍されている俳優はキャリアを積めば積むほど新たな挑戦が始まり演技レッスンが必要になります。
演技レッスンは俳優それぞれに必要なタイミングと内容があります。
レッスン、準備、リハーサル、稽古、トレーニング、練習、実験、研究、言い方は違えど演技の成長を求めての目的は一緒です。
恐らく「必要です」。だから本書を読んでいるのでしょう。では、どんな演技レッスンを選べば良いでしょうか。
①俳優をレッスンする
②俳優にレッスン方法を伝える
③指導者のレッスンが正しいと俳優に認識させる
①②③は指導側がどんな演技レッスンをするかの個性です。どの演技レッスンが俳優に合うかはレッスンをする目的にもよりますが俳優それぞれに違いがあります。
俳優を目指す人が迷うのがどんな演技レッスンを選ぶかです。ネットなどの評判は評価した人の主観で人それぞれの評価なので意見は違います。演技レッスン選びは見学に行くと良いでしょう。自分が見て面白いと思ったり、感動したり、感銘を受けたり、自分の感覚を信じて選ぶのが良いでしょう。もし演技レッスンを自分で選べないという場合は、どんな演技レッスンでも目的を持って演技レッスンをすると良いでしょう。
演技経験がある俳優、そしてご活躍されている俳優は、ご自身がどう成りたいか、何を得たいか、その為に今必要な演技レッスンは何か。俳優一人ひとりが目的を持ってご自身に必要な演技レッスンを選んで頂ければと思います。
十人の演技トレーナーがいたら十通りの指導方が存在します。演出タイプのトレーナー、俳優タイプのトレーナー、男女でも違いがあります。私の演技レッスンは経験を重ね③②①の順でした。今は“①俳優をレッスンする”を目的としています。何故なら、“演技をするのは俳優”だからです。
俳優をレッスンするのにレッスン方法が違えば他の方法を提案し、演技レッスンが必要なければしません。俳優が何を必要とし、どう成りたいか、俳優が欲しい状態に成れるよう、俳優一人ひとりにどんな演技レッスンが合うのかを提案しレッスンします。
これから演技レッスンをする俳優は、演技レッスンで演技トレーナーや指導者を先生と呼ばない(指導者は呼ばせない)事が大事です。日本人は先生と呼ぶと無意識(自動的)に教わるというスイッチが入ってしまうので、指導者を名前で呼ぶことをお勧めします。もし指導側が先生と呼ばせていたら演技を教えるレッスンだと思います。演技は教えられないし教われません。(「教わる」の定義が「覚える」の俳優は覚えていきます)
俳優は俳優自身が体験し実感したことが経験として残ります。演技を教わるのではなく、
演技レッスンで、“体験し実感して覚える”、が良いでしょう。覚えるには理解が必要です。理解の仕方には幾つかあります。思考、感情、身体、行動、五感、感覚での理解です。理解とは自分が、“なるほど”、と思えることです。理解の仕方や感覚を養うのも演技レッスンです。
タイミングは重要です。目安として、演技レッスンの情報が入ってきたらやってみることをお勧めします。情報が入るというのは今の自分に必要だから入ってくるのでしょう。
現場を控えているというのも演技レッスンをする目安になります。現場(撮影現場、舞台本番、リハーサル、監督や演出家の前で演技をする時など)に向けてどんな内容の演技レッスンをするかも重要です。レッスン内容は、俳優が必要だと思うレッスン、または演技トレーナーと相談しながらがいいでしょう。場合によっては演技と関係ないことをやる可能性もあります。
算数をするには数字を、日本語を使うには五十音を覚えるように、演技をするにも最初に覚えなければならないことがあります。
演技レッスンで最初に覚えることは、“演技で自分を使う心づくりと身体づくり、演技の前段階をレッスンします”。ここまでは演技未経験者、または少ない俳優への提案です。
演技レッスンのには二種類の方向性があります。自分に向かった方向性のレッスン(例・感情表現、台本読解、役づくり)と、他者に伝わる方向性のレッスン(例・即興演劇、ボイス、シーン)です。両方向のレッスンが必要だということを覚えておいて下さい。演技レッスンが自分の為だけでなく誰かの役に立つレッスンでもあって下さい。
演技経験がある、ご活躍されている俳優にも提案する演技レッスンを本書で紹介します。例えば「翻訳の戯曲を演じるが役の理解が難しい。役を理解したいので役づくりのレッスンがしたい」。この場合、台本読解や役づくりを提案します。提案したレッスンから今のご自身に必要な演技レッスンを選んで下さい。“現場で演技をする準備”の提案です。
演技レッスンをしながら「これは違う」と思ったら、トレーナーと話し合って他の方法を試すか、またはレッスンを途中で終わらせることがあります。俳優にとってレッスンが途中で必要なくなる可能性はあります。曖昧な終わらせ方でも、区切りをつけた終わらせ方でも、意識して終わらせる。始め方も大事ですが、終わらせ方も大事です。
トレーナーの伝え方も人それぞれ。同じ意味でも言葉が違えば受け取る俳優の理解も変わります。
皆さんに色々とアドバイスされ誰の言うことを信じて演じればいいのか迷ってしまい、やるべきことを見失ってしまう。これは新人俳優によくある悩みです。演技経験が無いまたは少ない俳優は、演技レッスンで変わらないものを探しましょう。レッスンをしても、役に成りきっても、演技をしても、演出を受けても、自分自身であることは変わりません。
変わらない自分を軸として演技がで出来るようレッスンをしましょう。そして、自分なりの目的を持ってレッスンをすることが重要です。
俳優ファーストの演技レッスンでは、監督や演出家が望む状態に俳優をレッスンすることもします。
決めない(固めない) 演技、決めない役づくり、台詞の言い方を決めない、俳優を自由(柔軟)な状態にレッスンします。
決めないを別の言葉で表現すると、型にはまってない、自意識に捉われていない、精神的束縛がない、心身共に自由または柔軟、理解している、平常心、リラックスなどです。伝わる言葉があったでしょうか。
演技を決めてしまうと、俳優は決めた演技しか出来なくなってしまいます。現場では、何が起きるか分からないので決めたことしか出来ないと俳優も現場全体も困ってしまいます。台詞を覚えてない、何も考えてない、台本の内容や役を理解できていないというのも困ります。
台本を読んで内容を理解し、役づくりで役を理解し、どう演じるかをイメージする演技プランは重要です。監督によっては「どう演じるかやってみて下さい」と、俳優のイメージを大事にして下さる監督もいます。しかし演技を決めてしまうということは、決めた俳優のイメージだけなのでイメージの共有になりません。
演技は関係を含むコミュニケーション!
現場での演出や相手役との演技でイメージが共有され、“演技の化学反応”(コミュニケーション、影響し合う、相乗効果)が起きるのが、“現場で生まれる演技”です。“現場の演技は台本がある即興劇”といっても過言ではありません。
現場で自由な演技が生まれるようにする為に、決めないって大事なんです。決めないって時に不安です。決めない演技をするとは、その不安を超える準備と勇気と経験が必要です。これから俳優を目指す人は、自分の演技プランでしか演じられないという俳優ではなく、現場で“演技の化学反応”で演じられる俳優を目指して下さい。現場で何が起きても対応できるよう、自由で柔軟な状態をレッスンで準備しましょう。
演技経験の少ない俳優にとって一番の演技レッスンは、現場で演技経験を積むことです。しかし現場は仕事場であってレッスンではないので演技が出来て当たり前です。演技経験の少ない俳優が泣く演技が出来なくて長時間現場を止めてしまった、というのはよくあります。現場は俳優が泣けるようになるのをいつまでも待ってはくれません。どんどん先へ進んでしまいます。一度泣く演技が出来たとしても、もう一度泣く演技を求められても出来ないこともあります。そのままにしておくと、何故泣く演技が出来なかったのか、または出来たのか、何の理由も分からず解決しないままです。
俳優の演技の悩みは感覚的なことをはじめ技術面など一人ひとり違います。現場の経験だけでは演技の悩みは解決しません。泣く演技には泣く演技の仕組みがあります。
実際にその仕組みを体験し実感して理解しなければ本当の悩みの解決にはなりません。そこで必要なのが演技レッスンです。
◯演技未経験者は、演技レッスンだからこそ、演技の心づくりと身体づくりが出来ます。その他にも、台本の読み方、台詞の覚え方、役づくり、現場では誰も教えてくれないので、演技レッスンで覚えていくといいでしょう。
◯演技経験の少ない俳優は、現場と演技レッスンを併用するといいでしょう。演技経験が少ない俳優によくあるのが、自分をアピールすることを優先して演じてしまい、本来やるべきことを見失い俳優としてのキャリアが続かないことです。作品には企画意図があり、役には役割があります。演技レッスンで台本の読み方から見直し演技経験を積むと、演出意図が理解出来るようになったり、やるべきことが明確になり自分の演技が出来るようになったり、リラックスして自然な演技に見えるようになるなど、現場での演技に違いが出てキャリアが繋がるようにもなります。
◯ご活躍されている俳優は、キャリアを積めば積むほど歳を重ねれば重ねるほど期待が高まり、新たなチャレンジが増え、心身の状態が変化するなどの理由で演技レッスンが必要になります。日本の作品がインターネットを通じて世界中で観られる時代、世界を見据えた演技レッスンをする価値はあると思います。
俳優のサポートで現場に付く依頼があった時に私は俳優に、「現場で私が視界に入っていた方がいいですか?それとも入ってない方がいいですか?」と質問します。あるベテラン俳優は「視界に入っていた方がいい」と応えました。私が視界に入っていると安心して演技に臨めるということです。俳優は安心を求めています。同じ作品、同じ役、同じシーンは存在しません。どんなにキャリアがあっても初日は誰でも緊張するものです。不安もあるでしょう。長い舞台公演では日々の自分の状態や観客の反応が違うので毎公演が初めての演技といっても過言ではありません。その日の演技はいつも初めてです。初めてに緊張は付きものです。
演技レッスンで安心要素を得る俳優もいます。海外ではアクティングトレーナーの存在が俳優の安心要素としても俳優の更なる要素を引き出す役割としても必要不可欠な存在という価値観があります。演技のパーソナルトレーナーという存在です。
S#8は俳優とトレーナーとの経験を併せ持つ私の見解です。
演技への理解や考え方は俳優それぞれ違います。同じ俳優はいないので自分なりの理解や考え方で良いと思います。それが変化しても良いです。
本書で紹介することは私の持論です。十五年ほどのレッスンで五百人ほどの俳優のレッスンをしました。どうしたら俳優一人ひとりが自分を活かして観心動の演技が出来るようになるか、自分の演技が掴めるようレッスン出来るか、俳優を自由に柔軟にすることが出来るか、安心してもらえるか、自信を持たせられるか、演技を楽しめるか。レッスンしては話し合いを繰り返しました。監督やプロデューサーに、求める俳優とはどんな俳優かをインタビューし、第一線で活躍する俳優にも沢山の話を聞きました。インタビュー映像や作品を観ては資料を集め、演技レッスンのことを考えてる夢を見るほど考え続けました。そして分かったのが、演技レッスンは、教える教わるの関係が成り立たないことでした。
演技レッスンは、覚えたいという俳優に情報提供しかできない。俳優はその情報を元に自らが体験し実感し理解して覚える。これが私が思う演技レッスンでした。
これは伝統芸能から学びました。きっと他の芸術や勉強やスポーツ、仕事でも同じだと思います。演技レッスンで何を伝えても、演技をするのは俳優なので、俳優自身が覚えたいと思わなければ、観心動の演技が出来るようにはなりません。
親が子供に勉強しなさいと言っても、子供が覚えたいと思わなければ勉強をしてくれません。しかし子供が覚えたいと思うことは自分で興味を持ってどんどん覚えて成長していきます。自分なりの感覚で体験し実感し理解して覚えて成長していくのです。俳優も同じです。俳優が演技を体験して実感して理解して覚えて成長していく。トレーナーはそのガイド役とでもいいましょう。
厳しさもあります。いくら俳優が理解して覚えても演じた結果が全てです。観客の心が動かなければ自己満足の演技になってしまいます。
演技をするのは俳優でトレーナーではありません。演技レッスンを俳優ファーストで考えどのようなレッスンをするか。レッスン方法は所詮方法に過ぎず、それ以上でもそれ以下でもありません。演技レッスンは俳優とトレーナーとの関係になります。人です。人が人をレッスンする。俳優とトレーナーとの信頼で演技レッスンは行われます。
俳優ファーストの演技レッスンは、観心動の演技をするを目標に、俳優に必要なレッスンを提案します。
・演技の前段階をレッスンする
(リラックス、即興演劇、ボイスレッスン、感情表現での演技の心づくりと身体づくり)
・演技をする準備をする
(役づくり、台本読解、台詞覚え、リハーサルで俳優を自由に柔軟にする)
・俳優が現場で演技をするサポート
(アクティングケア、リラックス、感情準備、集中)
演技未経験者や演技経験の少ない俳優は、監督、演出家、脚本家やプロデューサーの方々のレッスンやワークショップ、オーディションを受ける前にも俳優ファーストのレッスンを利用して下さい。
現場と演技レッスンに共通していることは実際に演じることです。“演技は習うより慣れる”。演技レッスンから色々な人に観てもらい、見られることにも慣れていきましょう。
俳優は、観心動の演技をすることはお伝えしました。感動、共感、惹かれる、興味をもつなども観客の心を動かすです。観心動の演技は“観客の役に立つ”ということ。観客の皆さんが苦しい時こそ、辛い時こそ、悲しい時こそ、貴方の演技で観客の皆さんの人生の励みになるように、生きる力に、気分転換に、笑いに、感動に、勇気と希望に、夢や目標になるよう、貴方の演技で観客の役に立ちましょう。観客の皆さんが感動してくれることが俳優の仕事としてのやりがいです。
では、どのように観客の心を動かすか。実はちょっとした仕組みがあります。本書では“観心動の演技の仕組みを紹介”し、観心動の演技の演技レッスンを提案していきます。
本書が観心動の演技に繋り、ご自身なりの演技への考えや意見が生まれ、自分の演技を掴むきっかけとなり、演技レッスンの意見交換がされ、俳優を目指す人や俳優達に役立つことを希望します。リラックスして、必要な項目、興味のある項目、思うように読みたいところから自由に読んで下さい。
演技は現実では体験できないことを現実として体験できる不思議な体験です。演じてることさえ忘れてしまうほど役に成りきってしまうのも魅力的な体験です。その演技に感動したと、観客の皆さんから沸き起こる拍手と歓声は最高の賛辞です。観客の皆さんに感動して貰えることが俳優として最高の喜びです。
どこまで本気で演じられるか!どこまで観客を感動させられるか!誰もが一度は憧れる演技の世界。観心動の演技が出来るよう、俳優ファーストの演技レッスンを一緒に体験しましょう!
追伸
読者の方がご自身に必要な項目から自由にお読み頂けるよう作成してます。伝えたい内容で他章との重複をご了承下さい。
S#10 必ず守って下さい!
◯肉体的に人(自分や他人や生き物も含む)を傷つけないこと、怪我をさせないこと。
演技レッスン中に頭にきたから相手を殴った。これは暴力行為で犯罪です。演技ではありません。絶対に肉体的に人を傷付けないで下さい。怪我をさせないで下さい。
◯物を壊さないこと。
演技レッスン中に腹が立ったから壁を殴って穴を開けた。物を壊した。これは器物破損です。これも演技ではありません。やってはいけません。物を壊さないで下さい。
俳優ファーストの演技レッスンについて
この章では誰もが一番知りたい「観心動の演技の仕組み」を紹介しています。演技レッスンは観心動の仕組みを理解して臨んで下さい。観心動の仕組みを理解せずに演技レッスンをしても目的のない演技レッスンになってしまい、貴方の望む演技を掴むのは難しいでしょう。
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基本的には俳優向けの章になります。演技の準備、リラックスってどんな状態、自分でできるリラックスを紹介。
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俳優とトレーナー向けの章になります。演出、演技指導の参考にもなります。
即興演劇が素晴らしいのは、即興を演じる俳優も観客として観るのも、“楽しい”、という体験ができることです。即興演劇を提案する理由として、“俳優が自分自身を使って演じることを覚えられる”からです。俳優を自由な発想、自由な感覚、自由な表現へと導きます。
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基本的には俳優向けですが、自分の声、演技の声、観客を振り向かせる声、観心動の演技の声を見つける、を目指すレッスンを紹介します。
S#53マイカのボイスレッスンはトレーナーのガイドで進んでいくレッスンなのでトレーナー向けの内容が多くなります。マイカはNYから呼んだボイストレーナーです。NY仕込みのボイストレーニングを紹介します。
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トレーナーのガイドで進んでいくレッスンなのでトレーナー向けの内容が多くなります。
俳優には、感情について知って頂きたい重要な内容が多くあるので読み進めることで感情の理解に繋がればと思います。レッスン後記は俳優への重要なアドバイスになります。是非、参考にして下さい。
感情表現のレッスンは俳優がありのままに成るレッスンです。
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レッスン⑤役づくり
基本的に俳優向けの章になります。役のことを自分と重ね合わせ様々な部分でリンクさせ、“役を自分のことのように理解する”(役づくり=役を自分のこととして理解する)です。
トレーナー向けにはサポートの仕方を説明しているので読み進めて下さい。
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レッスン⑥台本読解、分析、台詞覚え、リハーサル
基本的に俳優向けの章になります。
役を演じる演技は、最初に台本を読んだ時から始まります。“台本の内容と役を自分なりにどう理解するかが先”です。役を感情で理解するか、思考で理解するか、行動で理解するかなどを探っていきます。台本の読み方の種類を紹介してます。
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レッスン⑦シーンレッスン
主に俳優向けの章ですが、トレーナー、演出、演技指導の参考にもなると思います。
演技は関係を含むコミュニケーションを表現します。主に現場の演技は即興性が求められます。“台本がある即興劇”という意識が必要です。シーンの準備(添付資料)などを利用して演じてみるなどを紹介します。
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